ダイハツ コペン
企業のメッセージを体現するクルマ。
ダイハツが2014年に発売した軽オープンスポーツカーCOPEN(コペン)。2002年から10年間販売され、今も根強いファンの多い「旧型コペン」の2代目だ。「ボディパーツを着せ替えできる」という世界初のコンセプトを持つ新型コペンは、ダイハツの未来への取り組みの象徴であり、これを機に「ダイハツとは何か」を世の中にメッセージしたいという意思があった。そこで従来型のコミュニケーションからやり方を大きく変え、新車販売時には定番である4マス媒体主体ではなく、様々な接点でユーザーとのコミュニケーションを図る施策を実施。その際に重視したのが「自分らしさを表現できる車」であることだった。
ローカルへの思い。
新型コペンのユーザー像は、地域や地元での暮らしを楽しみ、その土地で精神的に豊かな生活を送っている人。地域にとってクルマは生活に欠かせない手段だからこそ、暮らしをより豊かにするものでありたい。そして軽自動車のイメージを、従来の「便利・手軽」というだけでなく、もう一歩前に進ませたい。そこから「LOVE LOCAL」という旗印を掲げたブランディングが始動した。それは単なる新型コペンの機能説明ではない。ダイハツという企業がこれから何をやろうとしているのか、その意思表示である。
ユーザーと育てるブランド。
お客様とのコミュニケーションも、買ったら終わりではなく、継続して関係を築けるものへと変革していった。それを可視化したのが、サン・アドのディレクションによるロゴ群の設計だ。ショップインショップ「コペンサイト」や生産工場「コペンファクトリー」など、ユーザーとの様々な接点を一貫したデザインで統一。用途、地域に分けたカラー展開など、わかりやすくかつ洗練された設計はクライアントからも高い評価を得た。コペンユーザーのコミュニティはウェブを通じて自走しており、そこにもロゴマークなどが使用され続けている。顧客起点に立ったブランディングは、サン・アドの思想に通じるものがある。