OJI SALMON
「鮭育」とデザイン。

王子サーモン

王子サーモン株式会社

ブランディングの指針は「鮭育」。

1967年に北海道苫小牧で誕生した「王子サーモン」は、日本で初めて本格的にスモークサーモンを製造したサーモンのトップブランドだ。同社の旗艦店となる銀座店リニューアルに合わせて、サン・アドがコンセプト開発からロゴ、パッケージデザイン、店舗デザイン、ショップツールまでトータルでプロデュースした。ひと口に鮭と言っても、紅鮭、時鮭、キングサーモン、アトランティックサーモン、フィヨルドサーモンという5種類が存在することはあまり知られていない。そこで導き出されたのが「鮭育」というコンセプト。鮭の種類だけではなく、味の違いや最適な調理法など、鮭に関する知識まで提供する仕掛けにした。「日本は天然の鮭が獲れる世界でも数少ない国のひとつなのに、日本人の多くが鮭の種類やおいしい食べ方を知らない」という、クライアントが日頃感じていた課題がブランディングへとつながった。

食べることが好きなチームを結成。

社内スタッフは、食のブランディング実績があり、食べることやお酒を飲むことが好きなメンバーを集めた。食に対する興味や価値観は、食のブランディングにおいて絶対的に欠かせない要素であり、幸いサン・アドにはそのようなメンバーが揃っている。クリエイターとしてプロの視点と、食いしん坊という生活者の視点。その融合がサーモン専門店としての深さと誰もが手に取りやすい親しみやすさに繋がり、新たな顧客層を開拓しブランドを刷新した。

建築とデザインが一体化した銀座店。

銀座店のリニューアルでは、建築家の前田圭介氏(UID)をチームに迎え、プロジェクトを推進。2013年に明太子「やまや」の新店舗設計のプロジェクトで共に仕事をした関係である。テーマを「お肉屋さんのような魚屋さん」として、調理法や食べ方まで提案する店づくりを提案。建物の外側と内側を設計するだけではなく、商品やパッケージが最も美しく見えることまで重視したお店づくりこそが、ブランディングにおいて重要と考えた。ステンレスを中心にした外観は、昼と夜でその表情が一変する。新店舗のキャッチフレーズは「鮭のうまさ、鮭それぞれ」。「世界一のサーモン専門店」を体現するこの店は、銀座の新たな食のスポットとして鮮やかに生まれ変わった。

制作物

制作クレジット

クライアント
王子サーモン株式会社
サン・アド
CD:笠原千昌 / AD+D:福地掌・小林昇太 / C:公庄仁 / Pr:坂東美和子・山西栄輔
サン・アド以外の方々
I:三宅瑠人 / 建築:前田圭介